嶋崎 善章(シマザキ ヨシアキ)准教授〔社会環境シミュレーショングループ 准教授〕

現在,どのような研究・教育をしていますか?

社会におけるさまざまな問題を、経済学的側面から研究しています。例えば、秋田県には環境・観光資源が豊富ですが、 その価値がよくつかめていないことで効率的な利用や整備が行われていないと感じています。このような資源のもつ経済価値を測り、 どのように利用したらよいかという提案に結び付けていきたいと思っています。 また、秋田県で特に問題となっている自殺率の高さについても経済的側面から研究しています。 さらに地域の公共交通、中国の経済や環境に関する経済研究も共同で行っています。

研究・教育に対する心構えを教えて下さい。

私は米大学の学部課程を終えましたが、そこで学んだことで今でも大切に思っていることに「基本に立ち返る」という行動があります。 ある意味これはとても回りくどくて意味が無いように感じられます。卒業後研究を志す前は、一時企業で働いていたこともありますが、 最終的に研究の道を選んだのは「基本に立ち返る」という行動から抜けきれない自分があったのかもしれません。

研究・教育は社会にどのように役立てられると期待しますか

私の専門である経済研究は、特殊な工業技術などを深く追求するものではありませんが、社会や企業がさまざまな選択肢の中から何をするのが 最適かということを見つけ出す方法を考えます。つまり、経済研究は社会や企業が合理的な意思決定を行うことのお手伝いをするわけです。 教育面では、経済学的思考を身に付けることで、積極的によりよい生活を求め、よりよい社会を築いていけるような人材がひとりでも 多く育つことを期待します。

研究・教育の面白さ,喜びは何ですか?

経済学の面白さは、社会に限らず自然も含めたさまざまな分野で経済学的側面から研究を行えるところにあります。 いろいろな分野の研究者と一緒に研究をすることで、自分の知らなかった世界について新しく学べるところが一番の魅力です。

学生or受験生に一言お願いします

「知は力なり」というフランシス・ベーコンの有名な言葉がありますが、大学ではしっかり「知識」を身につけて、 社会に出てから発揮する「力」を蓄えてください。巷では「社会のために」という言葉が過度にもてはやされているようですが、 私は知識をつける理由の第一は「自分のために」だと思っています。 社会に出てからは、社会のルールを守りながらまず自分のために考えて行動できるようになってください。 それがしっかりとできれば、自然と社会のために行動している自分に気づくと思います。

(2010年9月17日)